古代の人々は、万物が停滞する事なく、常にめぐりゆく(循環関係)を知り、五行説をつくりました。木・火・土・金・水の五元素です。この五行を陰陽に分類すると、十干(じっかん)となり、天の気を象徴するもので、天干(てんかん)とも呼ばれます。陽干を剛、陰干を柔として見ますので、陽干を兄(え)、陰干を弟(と)と呼び、これを兄弟(えと)と呼びます。

                     五行 十干 特性の段階
木の兄(きのえ) 甲(こう) 種子が発芽するまえの原皮をかぶっている状態
木の弟(きのと) 乙(おつ) 草木の芽がまだ自由に伸びられず、曲がりくねっている状態
火の兄(ひのえ) 丙(へい) 草木が伸びてその形が明らかになった状態
火の弟(ひのと) 丁(てい) 草木の形が充実した状態
土の兄(つちのえ) 戊(ぼ) 草木が繁茂して盛んになったことで萌れやすい状態
土の弟(つちのと) 己(き) 草木が成熟して果を結ぶ状態
金の兄(かのえ) 庚(こう) 結実した後に草木が一新する
金の弟(かのと) 辛(しん) 草木が枯死してまた新しくなろうとする状態
水の兄(みずのえ) 壬(じん) 地中にあった新しい生命が陽気を待って発生する状態
水の弟(みずのと) 癸(き) 草木の種子が次第に大きくなり長さを測ることが出来る状態

さて、この十干ですが、十干・十二支として、それぞれ年・月・日についています。そしてそれぞれに意味を持ちます、どの十干が生年月日の中にあるかによって、人の性格が異なってくるのです。

_木行_

(1) 生年月日に「甲」(きのえ)がある人の性格
大木を示し兜の意味を持ちます。権力 秩序 リーダー 向上心旺盛、忍耐力が強く人のために良く尽くす。思慮深く、人の上に立つ才覚をもつ。発明や企画の才能にも優れている。

(2) 生年月日に「乙」(きのと)がある人の性格

草木を示し内向性、表面は穏やかであるが物事に執ようなところがある。金銭に対し執着が強い。決断力がなく、迷いやすい。保守的である。君主の横で幸せになろうと思う 異性問題で悩むことが多い。

_火行_
(3) 生年月日に「丙」(ひのえ)がある人の性格

太陽を表し 物事を照らす現象をいう。財力、健康、陽性で情熱家で活動的である。しかし熱しやすくさめやすい。派手であれこれと手を出し勇み足ともなる。持久力不足という欠点をもつ。色情にも注意。

(4) 生年月日に「丁」(ひのと)がある人の性格

ろうそくの火、人の手によって作られた火をいいます。 智慧 革命家 反逆者 研究家 温和で陽性、親切なので人から好かれる。落ち着いているが、やや積極性に欠けるので、交際面で損することが多い。思慮深く物事に計画性があり、用意周到である。

 

_土行_

(5) 生年月日に「戊」(つちのえ)がある人の性格

磐、岩石を示します。信用信頼、業務 現場監督 医者などに向いており自尊心が高く、自信過剰と言うところである。物事に飽きやすく、永続性に欠ける。外見に捕らわれて内容の重要さを見失いがちである。友人をつくってもすぐに離れる。社交性がない。

(6) 生年月日に「己」(つちのと)がある人の性格

大地を示し土を意味します

情、和、芸能、水商売に向いている。

内向性で小心、疑い深く、迷いやすい。しかし、物事に注意深く、几帳面な所がある。物質的には恵まれた生活が送れる。

 

_金行_

(7) 生年月日に「庚」(かのえ)がある人の性格

刀のことを現します 天寿 壽命 ハンター 猟師 外科医 特命 を受け目的を達成する。任務の決まっている人。活動的であるが、移り気で余り物事を深く考えずに行動するので、軽率と言われる。世渡りが上手で、金儲けもうまい。自己中心的な打算がある。心は不安定で、なかなかつかみにくい。

(8) 生年月日に「辛」(かのと)がある人の性格

強情で融通性がないが、ものごとをやり遂げる気迫をもつ。疑い深いところもあって、社交性がない。好き嫌いもはげしく、物事に執着する。女性は愛嬌に乏しいので取り付きにくく損をする。苦労性である。

 

_水行_

(9) 生年月日に「壬」(みずのえ)がある人の性格

川,大河、流れている水のことを現す 競争 勝利 軍人 勝負師 アスリート ギャンブラー に向いている。

落ち着いていて、仕事には積極的に取り組む活動家である。協調心もあり、寛大で人々から信頼される。人の上に立つ器量をもつ。女性は、柔和で愛情が深い。

(10) 生年月日に「癸」(みずのと)がある人の性格

雨の意味です。

定 覚り クリーニング 葬儀屋 リサイクル業に向いている。正直で勇気がある。冒険心もあって過激なところがある。短気で潔癖であり、強情なところがあるので、孤立し、和を欠きやすい。感情も不安なところがあり、難しい気質である。

 

甲乙丙丁ってどんな意味?

この「甲乙丙丁」はどこから来たのでしょうか?由来を調べてみると、実は「甲乙丙丁」は干支にたどりつきます。とても意外に思うかもしれませんが、そもそも干支というのは、みなさんが良く知っている「子丑寅卯……」のことではありません。「子丑寅卯……」は「十二支」であって干支ではないのです。干支というのは、「十二支」と「十干(じっかん)」を組み合わせたもののことです。誤解して覚えている人が多いので、「子丑寅卯……」を呼ぶこともありますが、これは本来の干支ではないとご理解ください。

「甲乙丙丁」と干支

「干支は十二支と十干の組合せた」というお話をしましたが、「甲乙丙丁」はこの十干に由来しています。十干というのは、文字通り10種類あり、「甲(こう)乙(おつ)丙(へい)丁(てい)戊(ぼ)己(き)庚(こう)辛(しん)壬(じん)癸(き)」のことです。 干支は十干と十二支の組合せですので、「甲子(きのえね)」が一番最初です。その次が「乙丑(きのとうし)」、次が「丙寅(ひのえとら)」と、十干と十二支がそれぞれがひとつずつずれて組み合わさっていきます。全部で60種類の組合せがあることになり、人間は60歳になると、生まれた時と同じ干支がめぐってきます。これを「還暦」といい、また新たな人生をスタートさせるというお祝いをします。